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IE9 betaのタブへの雑感

IE IE9 UI

IE9 betaを(ようやく)実際に触ってみて、感じたことについて書いてみる。
尚、本家英語のIE BlogにおいてもUI関連のネタは2011/1/6現在でも特に書かれていないので、以下は試しに触ってみたユーザーとしての個人的雑感であることあらかじめ注記しておく。


IE9 betaは、IE8の頃よりもタブを「開かせない」ようなUIになってるように感じる。実際のウィンドウを見ればわかると思うが、IE9では検索バーと統合されたアドレスバーと同じ段にタブバーを配置している。そのため、一つのウィンドウにつきタブをいくつ開けるかは、IEを動かしているマシンのディスプレイの物理的な解像度に依存することになる。

このデザインは、IEユーザーの大半がタブをあまり開かない(≒初心者)という統計データがあって、そのデータをもとに、「混乱のもとになるし、大多数のIEユーザーは使ってないから、タブをたくさん開けなくてもいいよね(そっちの方がいいよね)」といった理由なのかもしれない。
と、最初にUIのスクリーンショットを見た段階では考えていた。

しかし、Windows7のタスクバー(Windowsのウィンドウマネージャ)へのWebページの登録機能などを見るに、端的に統計によるものと判断するのは早いんじゃないかとも思えた。

「タブを開かせない」というのは統計的な理由によるものじゃなくて、「タブなんて中途半端な疑似MDIによる閲覧マネージメントはもう要らないよね」みたいな感じなのかもしれない。
つまり、アプリケーションごとにタブ(子ウィンドウ)を管理させるのではなく、Windowsのウィンドウマネージャによって、一括で子ウィンドウとしての「タブ」を管理するみたいな方策。

理由を適当に考えてみると次のような感じ。
第一に、Windows7のタスクバーでのタブ毎のプレビュー機能がIE8の時点でデフォルトでONになっている。とはいえ、この機能自体をオフにしてもIE8のタブ管理機能は悪くなく、IE8の時点ではWindows7のタスクバーの新機能デモのようにも見える。

次に、現状においてそもそもIEはWindows向けにしかリリースされていない。IE9において、Direct2DなどWindowsのAPIをベースに性能向上を果たしていることから、おそらくMac向けなどのリリースの可能性は無いと言ってもいいように思える。
よって、IEというソフトウェアを動かすプラットフォームとしてはWindowsのみを考えればよい = Windowsのウィンドウマネージャを存分に使うことをためらう必要がない。

多数のウィンドウを扱うのに向かない「貧弱」なウィンドウマネージャに期待するのを辞めたところからアプリケーション固有のタブやMDIが始まったのだとすれば、ウィンドウマネージャが「貧弱」でなくなった場合、アプリケーション固有のタブを持つ意義はなくなる。

また、複数のウィンドウがそれぞれ2〜3個しかタブを持っていないのならともかく、それぞれ数個もタブを持っていると、管理するための操作個所が増えてややこしくなる。しかし、ウィンドウごとに開いたタブの管理を一元してWin7のタスクバープレビューに任せれば、1つのウィンドウ内で擬似ウィンドウとしてのタブをいくつも開く必要性がなくなり、管理も一本化できるといった感じだろうか。

その理論にしたがえば、IE9 betaは「1つのウィンドウ中にタブをたくさん開けるようにする」必要はない。上位でタブを一元管理できるから、ウィンドウごとにタブをたくさん開く必要はないし、ウィンドウごとに大量のタブを持ってしまうと、ウィンドウがタブをグループ分けする役割を暗黙的に果たしてしまった場合に、どのウィンドウに目的のタブ群があるのか非常に混乱する。

事実、IE8リリース後にいくつかのWebブラウザがタブ単位でのWindows 7のタスクバープレビューを実装したが、タブ単位でのプレビューではすべてのタブを一元に同じウィンドウにある場合と同様に扱ってしまうため、ウィンドウを一種のグループとして使うような使い方とは非常にミスマッチなものとなり、使い勝手がかなり悪い。(階層化してウィンドウごとに分けて表示できれば少しは違うと思うけれども) そうした背景もあってか、タブ単位でのタスクバープレビューをデフォルトで有効にしているブラウザは少ない。

そんな感じで、IE9 betaのタブ機構って、「ものすごく優れたウィンドウマネージャに任せてればタブなんて特にいらない。タブUIなんて未成熟なモノ使う必然性はない」な論を反映してるんじゃないかなとオモタ。以上。